「私って、看護師に向いていないのかも
しれない」
仕事で失敗したとき。
先輩から厳しく指導されたとき。
患者さんの役に立てなかったと感じたとき。
周りの看護師はできているのに、自分は
できないと思ったとき。
そんな経験をすると、一度は「看護師に向
いていないのかな」と悩むことがあるのでは
ないでしょうか。
私も看護師になったばかりの頃は、何度も
そう思いました。
わからないことが多く、不安になる。
失敗すれば落ち込む。
先輩から厳しく指導されれば、「私は看護師
に向いてないのかもしれない」と自信を
なくす。
それでも私は、看護師として20年間
働いてきました。
そして今、20年の経験を振り返って思うこと
があります。
「看護師に向いている・向いていない」という
一言だけで、自分の適性を決めなくてもいい
のではないか。
もし今、看護師の向いてないと悩んでいる
なら、この記事が少し立ち止まって考える
きっかけになればと思います。
看護師に向いていないと思った新人時代
私が最初に「看護師に向いていないかも
しれない」と感じたのは、新人の頃でした。
看護師になったばかりの私は、何もかもが
わからないことだらけ。
学校で勉強した知識はあっても、実際の現場
では思うようにいきません。
患者さんへの対応。
看護技術。
先輩とのコミュニケーション。
その場で判断しなければならないこと。
一つ覚えたと思ったら、また新しいことが
出てきます。
「こんなことも知らないの?」
そう思われているような気がして、先輩
から厳しく指導されるたびに落ち込んで
いました。
失敗をすると、
「やっぱり私は看護師に向いていないのかも
しれない」
と、自分を責めてしまう。
でも、今振り返ると、それは「向いて
いなかった」のではなく、まだ経験が
足りなかっただけだったのだと思います。
新人の頃にわからないことが多いのは、
当たり前です。
最初から何でもできる人なんていません。
それでも当時の私は、周りと自分を比べて
しまい、「できない=向いてない」と
考えていました。
失敗すると「向いていない」と思ってしまう
看護師の仕事は、人や命や生活に関わる
仕事です。
だからこそ、失敗したときのショックも
大きいものがあります。
患者さんのことで落ち込むことも
ありました。
「もっとできたんじゃないか」
「もっと患者さんの気持ちを考えられた
んじゃないか」
「自分はちゃんと役に立てたかな」
そんな風に考えてしまう。
そして、自分自身と向き合えば向き合うほど、
「私は看護師は向いていない」
という結論にたどり着いてしまうことが
あります。
でも、私は今になって思います。
悩むということは、それだけ自分の仕事に
真剣に向き合っているということでもある
のではないでしょうか。
本当に何も考えていなければ、失敗しても
「まあいいか」で終わるかもしれません。
患者さんのことを考え、自分の対応を振
り返り、「もっとできたのではないか」と
悩む。
それは、看護師として、そして一人の人間
として、真剣に仕事をしているからこそ出て
くる感情なのだと思います。

「向いていないから悩んでいる」のではな
く、「真剣に向き合っているから悩んでいる」
のかもしれません。
私が看護師を20年間続けられた理由
それでも、私は看護師を20年間続けました。
もちろん、大変なことはたくさん
ありました。
それでも続けられたのは、看護師という仕
事の中に、私が嬉しいと感じる瞬間が
あったからです。
患者さんから、
「ありがとう」
と言ってもらえること。
自分の知識や経験が、誰かの役に立つこと。
新しい知識を身につけられること。
人と関われること。
誰かの力になれること。
こうした経験が、私にとっては大きな支えに
なっていました。
看護師しかしたことがないから、生活のため
に働くのであれば、看護師を続けるという
選択もありました。
でも、それだけではありません。
私は看護師と言う仕事の中に、やりがいや
嬉しさを感じていたのだと思います。
だからこそ、つらいときがあっても20年間
続けてこれたのだと思います。

看護師に向いている人って、どんな人?
「看護師に向いてる人」と聞くと、どんな人を思い浮かべますか?
よく言われるのは、
・テキパキ仕事ができる人
・判断力がある人
・責任感が強い人
・コミュニケーション能力が高い人
・体力がある
・冷静に行動できる
・忙しくても動じない
などではないでしょうか。
もちろん、こうした力は看護師として働く
うえで大切です。
私自身も20年間働いてきて、責任感は
とても大切だと感じました。
もう、今の私が思う「看護師に向いている人」
は、それだけではありません。
人を想える人。
相手の気持ちに寄り添える人。
人の役に立ちたいと思える人。
そして、
看護師という仕事が好きだと思える人。
私は、こういう人も看護師に向いていると
思います。
仕事がテキパキできるかどうかだけで、そ
の人の看護師としての価値が決まるわけでは
ないと思うからです。
テキパキできない=看護師に向いていない、ではない
新人の頃は、仕事が早い先輩を見ると、
「私もあんなふうにならなければ」
と思っていました。
何でもすぐ判断できる人。
忙しい中でもテキパキ動ける人。
周りを見ながら先回りして行動できる人。
そんな姿をみると、自分との差を感じること
があります。
でも、看護師として経験を重ねる中で、私は
少しずつ違うことにも気づきました。
患者さんによって必要な関わり方は
違います。
すぐに声をかけてほしい人もいれば、
ゆっくり話をきいてほしい人もいる。
不安を抱えている人もいれば、家族のことで
悩んでいる人もいる。
看護師に求められるものは、仕事の速さ
だけではありません。
その人を見ようとすること。
その人の気持ちを考えること。
それも看護の大切な部分だと思っています。
私はクリニックが合わなかった
20年間の看護師生活の中で、私は転職も経験
しました。
その中で、自分に合う職場と合わない職場が
あることもわかりました。
私の場合、クリニックはあまり合いません
でした。
「クリニックだから悪い」ということでは
ありません。
ただ、私自身は患者さんとゆっくり関わる
ことが好きだったからです。
患者さんの話を聞いたり、その人の様子を
見たりしながら関わること。
そういう看護が、自分には合っていたのだと
思います。
私には、病棟の方が合っていました。
一方で、転職には自分の希望だけではなく、
家庭の事情もありました。
子どもの病気。
家庭の状況。
その時々の生活。
看護師として働き続けるためには、仕事
だけではなく家族のことも考えなければ
なりません。
だから私は、転職を経験したからといって、
「自分は看護師に向いていないから転職した」
とは思っていません。
むしろ、
「自分の生活や、自分が大切にしたい看護に
合う場所を探してきた」
という方が近いと思っています。
看護師を辞めたいと思ったらまず考えてほしいこと
もし今、
「看護師に向いていない」
「もう看護師辞めたい」
と思っているなら、すぐに辞めると
決めなくてもいいと思います。
もちろん、本当に看護師という仕事そのも
のがつらくて、辞める必要がある場合も
あります。
無理をして続ける必要はありません。
でも、
「看護師を辞めたい」のか、
「今の職場を辞めたい」のか。
ここは一度分けて考えてほしいのです。
看護師の職場は、病院だけではありません。
クリニック。
健診センター。
介護施設。
保育園。
企業など。
働き方にはさまざまな選択肢があります。
私自身、クリニックは合いませんでした
が、病棟では自分がしたい看護が
できました。
だから、
「今の職場が合わないから看護師に向いて
いない」
とは限らないのです。
「看護師に向いていない」と思ったら、書き出してみる
では、実際に「看護師に向いていない」と
感じたとき、どうすればいいのでしょうか。
私なら、まず紙に書き出してみることを
おすすめします。
①なぜ向いていないと思ったのか
例えば、
・仕事が遅い
・ミスをしてしまう
・患者さんとのコミュニケーションが苦手
・先輩に怒られる
・夜勤がつらい
・忙しすぎる
・人間関係がつらい
・判断することが苦手
・体力的にきつい
など。
「向いていない」という言葉だけではなく、何
がつらいのかを具体的にしてみるのです。
②看護師を続けるメリットを書いてみる
例えば、
・人の役に立てる
・資格を活かせる
・給料面で安定している
・働く場所を選びやすい
・知識が身につく
・人の気持ちを考える力が身につく
・家族が困ったときにも知識を活かせる
など。
私自身、看護師として身につけた知識が、
家族や身内がこまったときに役立つことも
ありました。
これは、20年間看護師をしてきたからこそ
感じる大きな財産です。
③デメリットも書いてみる
もちろん、良いところだけを見る必要も
ありません。
・夜勤がある
・体力的にきつい
・人間関係に悩む
・責任が重い
・人間関係
・不規則な勤務
・家庭との両立が難しい
・精神的に疲れる
自分にとって何が負担なのかを考えて
みます。
④「看護師を辞めたい」のか「職場を変えたい」のか考える
ここが一番大切です。
看護師そのものを辞めたいのか。
それとも、
今の職場や働き方を変えたいのか。
この二つは同じではありません。
もし「看護師という仕事は好きだけど、今の
職場がつらい」というのであれば転職と
いう選択肢もあります。
看護師を辞めることも、続けることも、どちらが正解ではない
ここまで書いてきましたが、私は「看護師
は辞めないほうがいい」と言ったわけでは
ありません。
本当に看護師という仕事そのものが自分に
合わない。
心身ともに限界。
これ以上続けることで自分を壊してしまう。
そんな場合は、辞めるという選択も大切
です。
仕事は人生のすべてではありません。
自分を守るために辞める事も、立派な選択
だと思います。
一方で、
「患者さんと関わることは好き」
「看護師の仕事は嫌いではない」
「ただ、今の職場がつらい」
というのであれば、辞める前に別の働き方を
探してみてもいい。
辞める・続けるの二択ではなく、その間にも
たくさんの選択肢があります。

20年間働いた今、看護師になってよかったと思うこと
私は看護師として20年間働きました。
振り返ると、もちろん大変だったことも
たくさんあります。
「向いていない」と悩んだこともありました。
失敗して落ち込んだこともありました。
辞めたいと思ったこともありました。
それでも、看護師になったことを通して、人
として成長できたと思っています。
人に寄り添うこと。
人の役に立つこと。
生きること、死ぬこと。
患者さんと家族との関わり。
さまざまな人生に触れたことで、自分自身の
考え方も変わりました。
そして、看護師として働く中で、責任感も
強くなったと思います。
何より、看護師として身につけた知識が
あります。
その知識が、身近な人が困ったときに役立つ
こともありました。
これは、私が看護師として積み重ねてきた
20年間の財産です。
だから今振り返ると、
「看護師に向いていたのかな?」と悩んだこと
も含めて私にとって看護師として過ごした
20年間には大きな意味があった
と思っています。
「向いていない」と悩むあなたへ
もし今、
「私は看護師に向いていない」
と思っているなら。
まず、自分を責めることを少しやめてみて
ください。
悩んでいるということは、それだけ真剣に
自分の仕事と向き合っているということかも
しれません。
失敗したから向いていない。
仕事が遅いから向いていない。
先輩に怒られたから向いていない。
人より不器用だから向いていない。
そんなふうに、ひとつの出来事だけで自分の
適性を決めなくてもいいのです。
あなたが看護師に向いていないではな
く、今の環境が合っていないだけかも
しれません。
あなたが大切にしたい看護と、今の職場の
やり方があっていないだけかもしれません。
あるいは、今は疲れすぎていて、自分の良さ
が見えなくなっているだけかもしれません。
だから、すぐに答えを出さなくてもいい。
辞めるかどうか決める前に、自分と向き合ってみよう
「看護師に向いていない」と思ったときは、
まず紙に書いてみてください。
なぜ私は向いていないと思うのか。
何がつらいのか。
看護師を続けることで得られるものは何か。
看護師をやめることで得られるものは何か。
そして、
私は本当に看護師を辞めたいのか。
それとも、
今の職場を変えたいのか。
答えがすぐでなくても大丈夫です。
考えて、迷って、それから決めればいい。
辞める・辞めないは、最後に判断しても遅く
ないのかもしれません。
まとめ/看護師に向いていないと思ったときこそ、自分を見つめ直す
看護師として働いていると、誰でも一度くら
いは「自分は向いていないのでは」と悩むこと
がると思います。
私も新人の頃から、何度もそう思いました。
でも20年間働いてきた今、私はこう
思います。
「向いている・向いていない」だけで、自分の
看護師としての価値を決めなくていい。
人を想えること。
患者さんに寄り添えること。
人の役に立ちたいと思えること。
そして、看護師という仕事が好きだと思える
こと。
それも、看護師にとって大切なことだと
思います。
もし今の職場が合わないのであれば、転職と
いう選択肢もあります。
病院だけでなく、クリニック、健診セン
ター、訪問看護、介護施設、保育園など、
看護師にはさまざまな働き方があります。
だから、
「今の職場が合わない」から「看護師に向いて
いない」ではありません。
そして、本当に看護師を辞めると決めたと
しても、それは失敗ではありません。
大切なのは、周りがどう思うかではなく、
「私はこれから、どんな働き方をしたいのか」
を自分自身で考えること。
看護師に向いていないと悩んだときこ
そ、すぐに答えを出すのではなく、一
度立ち止まって、自分と向きあってみて
ください。
あなたが出した答えなら、きっとその先の
人生につながっていくと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとう
ございました。
この記事が、今「看護師に向いていないのか
な」と悩んでいる方の心を、少しでも軽く
することができたら嬉しいです。



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