「即戦力」という見えない重圧。クリニック勤務の現実
看護師20年という看板が、いつの間にか鎖になっていた
大学生の上の子、そしてまだ手のかかる下の子。「こ
れからもっとお金がかかる」という母親としての責任
感から、私はパートからフルタイムへの復帰を決
め、新しいクリニックの門を叩きました。
しかし、そこで待っていたのは、想像以上に過酷な
現実でした。病棟経験は長くても、クリニックの仕
事は何もかもが始めて。それなのに、周囲からは
「経験20年のベテラン看護師なんだから、できて当
たり前」という無言のプレッシャーを感じる毎日で
した。
「教えてください」が言えない、聞ける人がいない
一番辛かったのは、業務中の孤独感でした。
クリニックは常に戦場。皆が次から次へと来院する
患者さんの対応に追われ、座る暇もありません。

「忙しい中で『教えてください』と
言っても、誰も手が空いてない。
勇気を出して聞いても
『あそこにマニュアルあるから、
それを見てやって』と突き放される
こともありました。」
初めての処置、初めての機械。マニュアルを読んだ
だけで完璧にできるはずがありません。「もしミスを
したら、患者さんに何かあったら…」。その恐怖と不
安が、毎日大きなストレスとなって私にのしかかっ
ていました。

「外来なら病棟より楽なはず」という
思い込みが、自分を追い詰めていませ
んか?私がクリニックを辞めるに至った、
更年期や座れない現場の本当にリアルを
書いています。
家に帰っても終わらない「内視鏡」との戦い
肉体的な疲れ以上に自分を追い詰めたのは、終わりの
ない予習と復習でした。内視鏡検査の介助経験がな
かった私は、ミスが許されないプレッシャーから、
寝る直前まで頭の中は仕事のことばかり。
・家事を終わらせた後、内視鏡の手順書を猛勉強
・朝起きてすぐ、手順を脳内趣味レーション
オンとオフの切り替えなんて、到底できる状態では
ありませんでした。
ソファで気絶する毎日。夫がくれた「新しい人生」への言葉
限界を超えた心と体
仕事中にふと感じる動悸、そして毎日痛み止めで
騙し騙しやり過ごしてきた腰痛。
帰宅して夕食を作り、「ちょっとだけ休憩…」とソフ
ァに座ったが最後、そのまま気絶するように眠って
しまう日々が続きました。

【自分を後回しにしているあなたへ】
20年間、自分のことは常に後回し。
そんな私が、仕事の呪縛から解き放たれ
て「辞めてよかった」と心から思えるよ
うになるまでの心の変化を綴りました。
夜中に夫から起こされ、重い体を引きずって残りの
家事を片付ける。
そんな私を見て、夫は静かに、でもはっきりと言っ
てくれました。
「そこまでして働かなくていい。自分の体が優先
でしょ。フルタイムにこだわる必要もない。
あなたには今の働き方はあってないよ。
無理しなくていいんじゃない?これから自分が
何をしたいのか、それを体調を戻しながらか
考えてもいいんじゃないかな」
その言葉を聞いた時、張りつめていた糸がプツン
と切れました。「看護師以外の道を選んでもいいん
だ」と、自分にようやく許可を出せた瞬間でした。
あえて「何もしない」を選んだ7カ月。それは「再生」の時間
空白期間があったから、今がある
退職して7カ月間。私は、あえて「空白」を作
る決断をしました。
・更年期の体調不良とじっくり向き合うこと
・子どもの受験を、一番近くで支え切ること
・「看護師」ではない一人の自分として、
日常を整えること
この時間は、ボロボロになった心身を治療するため
の、私にとって欠かせない投資でした。この期間
があったからこそ、今日、前向きな気持ちでハロー
ワークの門を叩くことができたのです。
【実録】ハローワークで知った期限と新しい武器
衝撃!失業保険の「受給期限1年ルール」
ハローワークの職員さんに驚かされたことが
あります。

*忘れないで!失業保険の重要ルール
失業保険(基本手当)の受給期間は、
原則として
「離職した日の翌日から1年間」です。
私は7カ月休んでからいったのでギリギリ間に合いま
したが、知らずに過ぎていたら受給できなくなって
いたかもしれません。「休むのは大事。でも期限だ
けは確認して!」と、全てのナースに伝えたいポイ
ントです。
「看護師以外のスキルがない」私への提案
窓口で「看護師登録をしますか?」と聞かれたとき、
私は勇気を出して「いいえ、もう看護師はしないつ
もりです」と伝えました。
不安がる私に、職員さんは職業訓練を提案し
てくれました。
「今の時代、何の仕事をするにしてもパソコ
ン操作は必須。学び直せが視野が広がるし、
簿記3級があれば新しい道もみえるかもしれ
ない」という言葉に、胸が踊りました。
まとめ:帰り道、お金の不安が「未来への期待」に変わった
ハローワークの手続きを終え、失業保険の申請が受
理された帰り道。あんなに重かった足取りが、驚く
ほど軽くなっていました。
お金に対する不安が和らいだことはもちろんです
が、何より自分を大切にして休ませた7カ月間は
間違っていなかったと確信できたからです。
もし今、あなたがソファで気絶するほど頑張り、誰
も助けてくれない現場で震えているなら。
「そこまでしなくていいんだよ」という言葉を、
あたしからあなたへ贈ります。
立ち止まることは、後退ではありません。
次に自分らしく笑って働くための、大切な助走期間
なのです。


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